JANE is Here
水の惑星
Physical Description
Small Wildlife - 小さな野性 -
Crawl
百 華
Morphological Description
2007年4月17日
4月17日午前4時頃、福島県鵜ノ尾埼灯台から北西約9.6キロメートルの海上においてセントビンセント船籍貨物船JANE(4,643トン 17名乗組)が浅瀬に乗り揚げ、同船から当庁へ救助要請があった。
仙台航空基地所属ヘリコプターにより乗組員全員を救助、乗組員にケガ等なし。
2008年1月17日
貨物船JANE船体撤去に関し、サルベージ会社により17日午前7時30分から午後2時30分頃までの間、牽引機による船体牽引作業が実施され、牽引が可能であると判断された。
サルベージ会社によれば、明日以降、状況を勘案のうえ牽引作業及び船内の排水作業を行い、該船船首を砂浜に向けた後、船体調査及び船体の補修を実施することとしている。
2008年1月25日
貨物船JANE船体撤去に関し、撤去関係業者から船体の亀裂等が発見されたとの情報を入手した。今後の船体撤去については船主・保険等関係者から指示待ちとのこと。
- 海上保安庁第二管区海上保安本部HPより -
慌しい日常の中、不安や焦燥でゆきづまりそうになったとき、ふと心に浮かぶ風景がある。座礁のニュースを耳にしたときから、その風景の中にまだ見ぬ貨物船JANE号の姿を探すようになった。
次の年が明けてまもなく、初めて現地に足を運んだ。
人々の生活のそのすぐ傍らで、異邦の船は解体を待ちながらただただそこに佇んでいた。役目を失った途端に浮かびあがる確かで生々しい存在感。そして漂う滅びの陰。
突如として生産活動システムの外に放り出されたことでその存在を知らしめ、人々の記憶に留められることになったこの船の最期を、私は憐れみ以上に危うい憧れをもって看取る。
地上の 過熱や 苛立ちを 鎮めるように
この惑星では 空から 水が 落ちてきます
傘をさせば 濡れずに すみます
でも 水を媒体にして 地上に もたらされたものは
街の中にも 人々の中にも 降り注ぎ 降り積もり
静かに 浸み込んで いくのです
Physical Description - 物理的描像
志向する物理現象として存在する有機体。
この有機体自身が1/15秒間で確かに描いた真実を
フォトグラフによって記録した。
図らずもこの物理的描像は”写真”である。